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3月, 2026の投稿を表示しています

「カスタマーハラスメント対策」の法制化

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  お客さんからのハラスメントは、今まで我慢するしかなかったことが多かったのだが、目に余る言動はメンタル不調の要因にもなってきた。 令和8年10月1日から施行される改正労働施策総合推進法等に基づき、企業(事業主)が 義務として講ずべき具体的な対策措置 は、主に「カスタマーハラスメント対策」と「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策」の2つの側面がある。 それぞれの具体的な措置内容は以下の通り。 1. カスタマーハラスメント対策として義務付けられる措置 事業主は、以下の措置を必ず講じなければならない 。 事業主の方針等の明確化、周知・啓発 カスタマーハラスメントに対し 毅然とした態度で対応し、労働者を保護する 旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること 。 ハラスメントの内容や、あらかじめ定めた 対処の内容 (管理職への指示、一人で対応させない、警察への通報、本社への情報共有など)を労働者に周知すること 。 相談体制の整備 相談窓口 をあらかじめ定め、労働者に周知すること 。 相談窓口の担当者が適切に対応できるようにすること 。 事後の迅速かつ適切な対応 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。 被害者に対する配慮(メンタルヘルスケアなど)の措置を適正に行うこと 。 再発防止に向けた措置を講ずること。 プライバシー保護と不利益取扱いの禁止 相談者等のプライバシーを保護するための措置を講じ、周知すること 。 相談したこと等を理由として、解雇などの 不利益な取扱いをされない 旨を定め、周知・啓発すること 。 実効性を確保するための抑止措置 特に 悪質と考えられる行為への対処方針 をあらかじめ定め、労働者に周知し、対処できる体制を整備すること 。 2. 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策として義務付けられる措置 求職者やインターンシップ生等に対しても、以下の措置が義務化される 。 方針の明確化と周知 求職者等へのセクシュアルハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確にし、労働者に周知・啓発すること 。 加害者に対して厳正に対処する方針と内容を労働者に周知すること 。 求職活動に関するルール (面談の時間・場所、SNSの利用ルール等)を明確化し、労働者と求職者等の双方に周知すること 。 相談体制の整備 求職者等が利用できる相談窓口を定め、周知するこ...

「178万円の壁」を達成するための上乗せ措置

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  「178万円の壁」を達成するための上乗せ措置 とは、2026年度税制改正において、 給与所得者の課税最低限(税金がかかり始めるライン)を178万円に引き上げるために導入される「基礎控除」と「給与所得控除」への加算措置 のこと 。 この措置は、物価上昇に連動した本則の引き上げに加え、特定の所得層に対してさらに控除額を加算することで実現される 。具体的な内訳は以下の通り(数値は2026年・2027年分のもの)。 1. 基礎控除への上乗せ(特例) 基礎控除は、物価連動により本則が58万円から62万円に引き上げられるが、それに加えて以下の加算が行われる 。 加算額 : 合計所得金額が489万円以下の居住者に対し、 42万円を加算する 。 合計額 : これにより、対象者の基礎控除額は合計で 104万円 (62万円 + 42万円)となる 。 2. 給与所得控除への上乗せ(特例) 給与所得控除の最低保障額も、物価連動により65万円から69万円に引き上げられるが、さらに特例が創設される 。 加算額 : 2026年・2027年分において、最低保障額に 5万円を加算する 。 合計額 : これにより、最低保障額は 74万円 (69万円 + 5万円)となる 。 3. 「178万円」の算出根拠 これら二つの上乗せ措置を合わせることで、課税最低限が178万円となる 。 基礎控除(104万円) + 給与所得控除(74万円) = 178万円 この措置により、いわゆる「103万円の壁」が178万円へと引き上げられる形になるが、かなり複雑になってしまってる・・・ なお、これらの大幅な加算は主に2026年・2027年分の時限的な措置として構築されており、2028年分以降は加算額や所得要件が変更される予定 。

NISAの活用と始め方

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  NISAという言葉は聞いて、始めたいと思うが、何から始めればいいのか? って方は多いと思う。 NISAの活用事例や始め方について、ご自身に合った方法を見つけるためのステップを金融庁のポータルサイトでご紹介。 NISA を知る: NISA 特設ウェブサイト - 金融庁 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html 1. 自分に合った活用方法を検討する 自分に最適な投資プランを知るために、以下のツールや情報を活用することが推奨されている。 シミュレーターの活用 : 「ライフプランシミュレーター」 で質問に答えて将来の家計を診断したり、 「つみたてシミュレーター」で条件を指定して積立投資の体験をしたりすることができる 。これにより、ご自身のライフスタイルに合った投資額や期間のイメージを掴むことが可能。 活用事例の確認 : 「NISAの活用事例」のセクションでは、実際にどのようにNISAが利用されているかの具体例をチェックできる 。 2. NISAを始めるためのステップ 以下の順序で情報を確認することで、スムーズに開始するための準備が整う。 基礎知識を深める : まずは「資産形成の基本」や「NISAを知る」の項目を確認し、資産形成の必要性やNISAのポイントを理解 。 学習教材の利用 : 「動画コーナー」 や、ガイドブックが掲載されている 「資料コーナー」を活用することで、より分かりやすくNISAについて学ぶことができる 。 対象商品の確認 : 「つみたて投資枠対象商品」のリストを確認し、どのような商品に投資できるかを把握する 。 3. その他の検討事項 職場での利用 : お勤め先に「職場つみたてNISA」の制度がある場合は、福利厚生としての資産形成支援を利用することも選択肢の一つ 。

社会保険関係の法改正(106万円の壁の撤廃等)

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給与所得者所得税の「103万円の壁」の撤廃が税制改正の話題は取り上げられており、手取りを増やすことにつながっているが、社会保険料の「106万円の壁」も撤廃されようとされている。                                       こちらは、短時間労働者の賃金要件が撤廃され、社会保険に加入しなければならない方が増えることによって、社会保険加入できることになるが、手取りは減ってしまうことになる。 社会保険適用拡大は進んでおり、現在の企業規模要件も将来的には撤廃されることになり、パート労働者の方の働き方を考えていかなければならなくなってきている。 厚生年金の適用範囲の拡大(被用者保険のさらなる普及) 短時間労働者に係る賃金要件(月額8.8万円以上)の撤廃 : 「106万円の壁」として意識されていた賃金要件が撤廃される(公布から3年以内に施行) 。             令和8年(2026年)10月予定。 短時間労働者に係る企業規模要件の撤廃 : 現在、従業員数が一定以上の企業(特定適用事業所)に限られている短時間労働者の社会保険加入義務について、企業規模要件が段階的に縮小され、 令和17年(2035年)10月に完全に撤廃 される。    企業規模要件の段階的撤廃      現在、従業員数51人以上の事業所が社会保険の適用対象ですが、この企業規模要件も段階       的に縮小・撤廃される。  2027年10月以降 : 36人以上   2029年10月以降 : 21人以上   2032年10月以降 : 11人以上  2035年10月以降 : 完全撤廃        「年収の壁」への対応     https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html

これからの生活設計の格差の懸念

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「生活設計」を考える上で、一般的に呼ばれる「  人生の三大資金」は下記の3つが中心となる。 住宅資金 : 住宅の購入費用や住宅ローンの返済、リフォーム費用、固定資産税などの維持費が含まれます。人生で最も大きな買い物の一つ。 教育資金 : 子供の入学金、授業料、塾の費用、仕送りなど。幼稚園から大学までの進路(公立か私立か)によって、必要な金額は一人あたり1,000万円から2,000万円以上と大きく変動する。 老後資金 : 退職後の生活を維持するための資金。公的年金だけで不足する分を、現役時代からの貯蓄や資産運用で補う必要がある。 この「人生の三大資金」が多数の人に該当していたのは、 一億総中流時代(日本国民の大多数が自分を中流階級だと考える「意識」を指す、1970年代の日本の人口約1億人にかけた言葉で、自分の生活の程度を中の上から中の下を選んだ人の回答比率で既に7割を超えていた時代)であり、その後バブル崩壊後の失われた30年の時代には、所得格差が生まれ、さらに大きくなり、子供がもてないから 教育資金 は考える必要がない(考えることができない)、マイホームを持つ余裕がないから、 住宅資金 は家賃支払になっている人の割合が増加している。 老後資金 だけが、ほとんどの人々の課題と変化している。 もちろん、中流層は多くいるわけで 、「人生の三大資金」に変わりはないのだが、今後の「生活設計の格差」が広がることが一番の懸念と考えてしまう。